「朝日は昇りて」イザヤ9:1-6 ルカ1:68-79
救い主の誕生の預言は、主イエスが誕生する700年前に与えられていました。その救い主は、イザヤ書9章5節に「驚くべき指導者」であると書かれています。「不思議な助言者」とか、カウンセラーとも訳せる言葉です。英語では Wonderful Counselor、ヘンデル作曲のメサイヤではこの訳で歌われていますね。
この助言者、そして、カウンセラーは、人生の危機に介入してくる人のことを指します。基本的には、カウンセラーは聞き役です。人生の危機にある人の話に徹底的に耳を傾けます。傾聴します。そして、クライアントが自ら問題に気づき、自身や人生を回復していくことを手助けします。
主イエス・キリストが、暗闇の中にいる者の救い主としておいでくださったということは、そのような意味なのです。つまり上から押さえつけたり、ある方向へ強引にひっぱっていくという意味ではなくて、まず徹底して寄り添ってくださるという意味だったのです。
この同じイザヤ書の42章2-3節にもこうあります。「彼は叫ばず、呼ばわらず、声を巷に響かせない。傷ついた葦を折ることなく、暗くなってゆく灯心を消すことなく」この後のところは、口語訳で読みます。「真実をもって道を示す。彼は衰えず、落胆せず、ついに道を地に確立する。」とあります。ねばり強く時間をかけて寄り添ってくださるというのです。
しかも、不思議なカウンセラーです。この世のカウンセラーには限界がありますが、この方は、神としてのお力をもって、最後の最後まで寄り添ってくださるのです。
わたしたちの現実の人生は、希望もなく、絶望的で、闇に覆われてしまったように見えたてしても、この天から来られた、救い主、不思議なカウンセラーとして寄り添ってくださる方がわたしたちと共におられます。そのような方がいるということ自体が、希望でなくてなんでしょう。わたしたちのいのちは、こうして輝くのです。